やだんこ!

共通点があったりなかったりする者同士で更新するWeb同人誌です

深入り危険な男のようだった『A子さんの恋人』(ネタバレしません)

方々のマンガ好きから聞いてはいたが、

 
雑なスタートで申し訳ないが、
面白さ、おしゃれさ、微笑みながら切り込んでくる感じ、
すべてにおいてやばかった。
 
どんな話かというと、
日本とアメリカをまたいだ男女の三角関係およびその周辺の物語。
とりたてて目立つわけでもない女性A子が、
魅力的な男二人に何故かとことん愛される、という少女漫画の鉄板モノである。
 
ただ、そうまとめるとものすごい違和感がある。
なぜだろう。
 
A子を追っかける男の一人として、
世渡り上手なA太郎という男が登場する。
 
長身イケメンの飄々とした人たらし。
才覚もあり、みんなに優しいのでとにかくモテるが、
根本的には超絶ドライなので、
深い関係に踏み入るには覚悟がいるタイプの男だ。
 
伝わりづらいことを承知で書くが、
「なんか、この作品自体がA太郎みたいだな……」と私は思った。
 
前述の違和感は、作品全体に漂うつかみどころのなさに加え、おそらくこのA太郎のキャラも要因として大きい。
 
A子とA太郎を中心とし、
シュッとした絵柄で描かれる美大出身のキャラクターたち。
ときおりインテリ眼鏡のアメリカ人もでてくる。
彼らがニューヨークやら吉祥寺やらおしゃれな街で日々を過ごし、
かわいい毒をはらみながらも恋に仕事に生きている姿は、
「ははは」とおせんべい片手に気楽に読めてしまう。
前半までは。
 
少し力の抜けた洒落た世界観に入り込み、
のほほんとした雰囲気と、ほどよい毒加減に油断していると、
途中でガッとやられる。
 
わーーーA太郎みたいだーーー!
 
そんなふうに(?)私がやられたのは三巻の終わり。
 
ネタバレしません、
とタイトルに書いたので詳しくは避けるが、
キャラクターたちが底のほうに抱える孤独や諦観がどストレートに私を直撃し
 
「なんだこれ、さみしい! さみしいぞ! うぐううう」
 
という呻きがあふれた。
読んでいたベッドの中で。真夜中に。
 
はー。(休憩)
 
 
そんなふうに呻きながらも、
やられた……読むことをやめられない! ずるい!!  そしておしゃれ!!!
と、いろんな意味でノックダウンされたのだった。
 
ただいま5巻まで出ており、
続巻がでるのは半年以上先らしい……。
はやく出てほしいような、ゆっくり待ちたいような。
 
複雑な気持ちで待っているのも、
A太郎にかなわぬ恋をした女のようでなぜか悔しい。
 
はー。(溜息)
 
 

2018年の良かった本、12冊(だっくる編)

ああ……2018年が終わる……。

 

今年は本を54冊読みました。本物の読書家にはかなわないけど、念能力を持たない人間にしてはよく読んだほうでしょう!たぶん!そこで読み終えた本で、かなり良かったものを順不同で列挙します。

 

・屍人荘の殺人

 これはやだんこの読書会の課題図書でした。かなーり面白い!『このミステリーがすごい!2018年版』第1位、『週刊文春』ミステリーベスト第1位、『2018本格ミステリ・ベスト10』第1位の三冠。本屋大賞でも3位。ちょっと邪道な展開かもしれないけど、エンタメとしてとても良いと思います。映画化も決まっているのですが、予告編ネタバレなしに作られるとは思えないので、今すぐに原作を読んでください。

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人

 

 

・クリムゾンの迷宮

 今年、貴志祐介ブームが来たので、この他に「悪の教典」「新世界より」などを読みましたが、どれも上下巻なので比較的手軽に読めるこれを。最後の展開がちょっと急かもしれないけど、おもしろいです。一気に読める。

 

参加者を過酷な環境に閉じ込めて殺し合いをさせて最後の一人に賞金を与えるという、いわゆるデス・ゲームもの。割と主人公に都合がよく話進みますが、良いと思います。

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

 

 

蜜蜂と遠雷

 これもやだんこ読書会の課題図書。この本で生まれて始めて読書会というものをしました。Kindleで読んでたからぜんぜん気づかなかったんだけど、この本、めちゃくちゃ長いんです。ハードカバーだと二段組で、しかも687頁もある。

 

きのこ 紬ちゃんぼくの感想もよかったら。

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 

・臣女

たしかアメトーーク!光浦靖子が紹介していたと思う。浮気をしていた教師の妻の体がどんどん巨大になっていく話。こっけいでかつぐっとくる展開に妻を大切にしようと思いました。まじで。

 

臣女(おみおんな) (徳間文庫)

臣女(おみおんな) (徳間文庫)

 

 

羊と鋼の森

蜜蜂と遠雷」はピアニストの話なんですが、こちらは調律師の話。「蜜蜂と遠雷」のアナザーストーリーのような(もちろん、ホントはぜんぜん関係ないですよ)感覚で楽しめました。「蜜蜂と〜」がエンタメ大作の映画だとしたら、こっちはしっとりと進んでいくミニシアター系のような大切に噛み締めたい作品でした。

 

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

 

 

・未必のマクベス

サスペンスなのか恋愛小説なのか、シェイクスピアの戯曲「マクベス」を踏まえながら進んでいくクライムラブストーリー(なのか、ぼくにはいまいち決めかねます)。めちゃくちゃおもしろかったです。長いんだけど、それを感じさせない。一人の男の成り上がりストーリーをスリルとロマンをあわせながら見事に描いています。ぜひ読め。

 

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

 

 

・ハリー・オーガスト、15回目の人生

記憶を持ったまま、転生を繰り返す男のストーリー。一度死んだら、その記憶を持ったまま、人生を最初からやり直す能力者といえばいいかな?カーラチャクラと呼ばれるこの能力者は世界中に存在し、暗号などで未来や過去の知識を共有しあって協力しながら生きている。何度でも生まれ変わることができるので、事実上不死。ただし、生まれる前に親ごと殺されちゃったりすると、二度と生まれることはないという弱点もあり。

 

で、この時点で面白そう10000点じゃないっすか?一人の男の人生が何度となく語られるので、ちょっと冗長なところもありますが、良いです。

ハリー・オーガスト、15回目の人生 (角川文庫)

ハリー・オーガスト、15回目の人生 (角川文庫)

 

 

・出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった一年間のこと

ちょっと5chのスレッド感あるタイトルですが、内容はかなり良いです。作者の本好きという点がとても伝わってくる。いろいろしんどいことが起きたけど、「人間」に救われるというところ、かなりぐっと来ました。心がつかれたら読みましょう。

 

 

・隣り合わせの灰と青春

ウィザードリィというコンピュータRPGの元祖みたいなゲームがあるのですが、その小説です。でも、ウィザードリィの知識のほとんどない僕でも楽しめました。めちゃくちゃ楽しめました。かなりおすすめ。

 

隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)

隣り合わせの灰と青春 (幻想迷宮ノベル)

 

 

・異セカイ系

第58回メフィスト賞受賞作。メフィスト賞ってもうそんなにやってるんだ。舞城王太郎筒井康隆町田康西尾維新などなどのエッセンスを多分に含んだ怪作。セカイ系、なろう系のラノベが好きな人がここから文学にずぶずぶとハマったり旅立ったりする、橋渡し役としても優れています。けっこうフォントサイズとかで遊んでるところもあるんですけど、かなりの実験作でありながら、単純に楽しめる作品でもあり、ぜひ読んでほしいです。

 

異セカイ系 (講談社タイガ)

異セカイ系 (講談社タイガ)

 

 

・老ヴォールの惑星

今年、いろいろ読んだことのない作家と出会いましたが、この小川一水にはかなりハマりました。セールになってるやつ、ほとんど買った……。

 

おすすめは「漂った男」。死ぬ危険性がなく、母星ともコミュニケーションがとれるのに、自分の居場所を伝えることができないという斬新な設定の漂流もの。これ映画化したら映えるだろうなって思ったら、けっこうレビューでも映像化を期待してる人がいて「わかる!」となった。 

老ヴォールの惑星

老ヴォールの惑星

 

 

・アリスマ王の愛した魔物

ちょうどさっき読み終わりました。これも小川一水の作品。ぜーんぶ面白い作品だった……。

バイクのAIとホストコンピュータ(?)の会話劇だけで進んでいくのに、めっちゃ情景が浮かんでくる「ろーどそうるず」、数えることだけに異常な執着を持っていた王の冒険譚「アリスマ王の愛した魔物」がかなりのおすすめです。

 

 

こんなところです。全部、おすすめできるので冬休みを利用して読んでみてください。ちなみに小川一水はシリーズが半額セールをやっているので、買ってもいいと思います。(買え)

 

 

今年、Kindle Paperwhiteを本格的に利用しだしました。Kindleの何がいいって本棚が圧迫されないんだよね。セールもちょくちょくあって、めちゃくちゃ本買いました……。積読もやばい数になり、来年はこれを片付けていくことになりそうです。でもセールでいいのがあったらきっと買っちゃうんだろうな……。

 

来年も読書餓鬼。

 

だっくる

2018年の良かった音楽について

だっくるです。

 

きのこも紬ちゃんも今年を振り返っているので、ぼくも振り返ります。テーマは2018年に聞いて良かったアルバムについて。 といっても、CHONAlabama Shakesは紹介しているので、他のものを。

 

あ、Spotifyとかに入ってると、自分の聞いてた音楽の流れとかわかるそうなんですが、ぼかあ金がないので、iTunesの最後に再生した日付を見ながら書いてきます。よくある2018年のおすすめ!とかいうのではないです。ただ、ぼくが2018年にビビッと来たやつということです。

 

HAWAIIAN6

高校生のときにメロコアのバンドをやっていて、その時にメンバーがHAWAIIAN6を好きだったなあという位の認識しか、今まではありませんでした。が、たまたま知り合いから紹介されたアルバムがとても良かった。

BONDS

BONDS

 

 メロコアのドタドタとしたビートと、昭和歌謡を思わせる泣きのメロディラインが魅力なんですね。メロコアなんてどれも一緒じゃんと思っててすみませんでした。ちな、僕があんまり好きじゃないのにメロコアバンドやっていた過去についてはいずれ語ることも有ろう(ない)

 

おすすめは「Song of Hate」と「Miracles」

 

さユり

アニメがそこそこ好きなので、それで知りました。といっても、さユりがデビューしたのって結構前なので、これも後追いですね。いや、すべての音楽がアーカイブされていつでもアクセスできる現在において、時代性で語る必要性があるのでしょうか!いや、ない!ないんじゃないかな。ないと思う。まあちょっとは覚悟をしておけ。

 

酸欠少女と自らを評しているように、ちょっと苦しそうな感じのボーカルです。アニメのOPEDをよくやってるので、アニソン系歌手ということになるのか?アニソンって耳に残りやすいせいか、妙に聴きたくなるときがあります。

ミカヅキの航海

ミカヅキの航海

 

 おすすめは「ミカヅキ」「平行線」

 

Arctic Monkeys

あくまでも今更を貫く……!僕が大学生ぐらいのときに、期待の若手として紹介されてました。その時はピンと来なかったんだけど、なぜか今はぐっときました。なんでしょうか。怖い。これが……老い……??

 

全アルバムを聞いてたのですが、どうせなら今年出た最新アルバムを。アルバムによって雰囲気が結構変わるアークティック・モンキーズですが、今回はかなりムーディ。 

Tranquility Base Hotel & Casino

Tranquility Base Hotel & Casino

 

 

ハンバートハンバート

ハンバートハンバートは大学のときに知って、それからずっと好きです。FOLK2はサポートメンバーなしで制作された企画盤。第一弾にもハマったけどこれにもハマりました。

FOLK 2

FOLK 2

 

 おすすめは「渡良瀬橋」「クレイジーラブ」

 

・GoGo Penguin

後輩がTwitterで褒めてたから聞いてみたら、僕もハマりました。ジャズトリオということになるんだと思いますが、打ち込みを思わせるリズム隊が良すぎる……。ぜひちょっと良いスピーカーで聞いてください。

V2.0 (DELUXE EDITION)

V2.0 (DELUXE EDITION)

 

おすすめは「Hopopono」 

 

・Offspring

まーた超有名バンド。めちゃめちゃ売れたSmashよりもこのアルバムが気に入って聞いてました。

Americana

Americana

 

 おすすめは「Walla Walla」

 

上坂すみれ

声優としてだけでなく、アイドル的・サブカルアイコン的な知名度も高い上坂すみれの最新作、とっても良かったです。今まで一番良いと思う。

おすすめは「地獄でホットケーキ」「Hello my kitty」 

 

あいみょん

おーやっと最近の来た!丸の内サディスティック進行の名曲「愛を伝えたいだとか」韻の踏み方が心地良い「マトリョーシカ」などが良かったです。

青春のエキサイトメント

青春のエキサイトメント

 

 

・カネコアヤノ

 いい調子だ!この人もシンガーソングライター。全曲よくてビビった。

祝祭

祝祭

 

 特に好きなのは「恋しい日々」

 

・Bit Brigade

ファミコンの音源をギターとベースとドラムで再現するバンド。YouTubeにライブ映像も上がってますが、なんとメンバーにゲームプレイヤーがいて、そのプレイに合わせて演奏するというなんとも高度なことをやっている!もともとの曲の良さもあるけれど、ドラムのアレンジなども光っていてマスロック的な香りも感じました。

 

Presents: Megaband

Presents: Megaband

 

おすすめは「Flash Man」 

 

以上です。超有名なものを聞き返して「良い!!!」となることが多かったです。2019年も音楽に救われていきたい。

 

だっくる

読んだ本から2018年を振り返る~壇蜜からフィリップ・K・ディックまで~

こんにちは、紬です。
 
kindleのおかげでいつ・なにを読んだかが
とてもわかりやすくなりました。
 
どうやら今年は漫画を含めて100冊前後読んだ模様です。 
 
わたしも今年を振り返りたくなったので、
月ごとに印象的だった本をもとに、
あっさりさっくり振り返ってみようと思います。
 
それではどうぞー。
 
【1月】しいたけ占い 12星座の蜜と毒( しいたけ )
これでもかってくらい1月にふさわしい本ですね。
しいたけさんは優しい語り口で、
不安をあおってこないので、大好きな占い師さんです。
ただ、残念ながら占いは何を言われたかすぐ忘れるタイプです。
 
 

 
やだんこ読書会で読んだやつですね。
恩田陸はもともと大好きですが、
ちょっと作風がちがってこれはこれで楽しめました。
読書会というものを初めてきちんとやって、
本について人と意見交換をすることの楽しさを知った作品でもあります。
 
くわしくは読書会エントリをどうぞ。
 
 

 
【3月】断片的なものの社会学 (岸政彦)
やだんこメンバーに進められて読んだやつです。
誰も目を向けなさそうなものごとを
すっ……と拾い上げて言語化しており、とてもよかったです。
これを読んでから岸さんのファン。
 
 

 
【4月】止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記(松本麗華)
なんでかは自分でもわからないんですが、
4月はオウム関連の本を読み漁っていました。
加害者よりの視点と被害者視点、
両方読むことでなにかを考えようとしていた気がする。
(他には『アンダーグラウンド』や『A3』とか読んでいた)
 
 
 
 【5月】八咫烏外伝 烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ (阿部 智里)
いきなり外伝ですいません。
もともと描写の優れた和風ファンタジーが大好きなんですが、
この八咫烏シリーズは飛びぬけて面白く、
荻原規子さんの再来や……!」と感動しながら読みました。
どうやら漫画化もされるらしい。すごいな。
 
 
 
 【6月】山怪 山人が語る不思議な話 (田中 康弘)
山好きのあいだ(?)でじわじわ話題になっててずっと読みたかったやつです。
派手な物語があるわけではなく、
「え、けっきょくなんだったの?!」という
本当の不気味さと不可思議さが漂っていて読みごたえがありました。
 
 
 
【7月】阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし(阿佐ヶ谷姉妹
こないだのTHE Wという、
女芸人のM1みたいな番組?で優勝していた阿佐ヶ谷姉妹
飄々とした雰囲気と、とげのないネタが大好きな芸人さんです。
 
このエッセイもそのキャラの味わい深さがそのままでており、
大変癒されました。
 
 
 
【8月】エロスのお作法 (壇蜜
この方はなぜあそこまで露出しておきながら品があるのでしょうか……。
エッセイも同じくで、淡々としながらなんかエロイ。
「この思考はめちゃめちゃ男の人にモテるだろうな……」
という感想が第一にきました。
見習いたい。
 
 
 
急に読みたくなって買ったやつです。
もはや感想不要だと思いますので、
横文字のキャラクターが登場すると読めなくなる病の私が
ラストまで読めるのはすごいなと思った、
という究極の凡コメだけ残しておきます。
 
 
 
【10月】春、バーニーズで  ( 吉田 修一  )
吉田修一の中期の作品が読み返したくなり、いくつか買ったうちの一つ。
私はこの方の文体と日常描写を心底愛しておりますが、
そのなかでもこの作品はとっても好きです。
日常の中のひっそりした狂気、いい。
 
 
 
【11月】タクマとハナコ(1) ある日、夫がヅカヲタに!?(はるな檸檬
友人に初めての宝塚観劇に連れて行ってもらい、
感動して宝塚関連の本を読み漁っていたころ。
ヅカヲタのディープな世界をはるな檸檬さんの
きれいな絵で読めるのでうっとりします。
 
同時に読んでいた吉田修一の『国宝』が歌舞伎役者の話だったので、
しばらく頭の中が大劇場でした。
 
 
 
【12月】カササギ殺人事件 上(アンソニーホロヴィッツ
知らない作家のミステリーが読みたくなって買った一冊。
主人公の探偵が『相棒』の右京さんっぽくて、
脳内変換しながら「うふふ」と読んでいます。
 
 
 
意外と振り返ってみたら自分がいちばん楽しかった。
 
来年はどんな本をどれだけ読めるか、
たのしみです。
 

今年はじめて行ってよかった喫茶店4軒

茶店が好きです。でも、マニアというほどではないのだと思います。週に3回くらい喫茶店に行きますが、同じ店に行くことも結構ありますし、遠征もほとんどしません。

以前インタビュー記事を読んだのですが、カフェ&スイーツ系ライターのミスター黒猫さんは年間1000軒以上をめぐっているそうです。それでもどんどん回っていかないと新しい店舗ができるのに追いつかないとか。すごい世界だ。

 

いいカフェはたいがい、落ち着くことができることと、別世界にいるような心地になれることという、若干意味合いの違っている二つの要素が自然に同居しているのが不思議だと思います。

 

今年はじめて行った店でよかったところを数軒紹介させてください。

 

<エイトジュール>

f:id:lkinako:20181226083909j:image

下北沢の紅茶がおいしいカフェ。お店の雰囲気はさっぱりと可愛い感じ。食事やパンケーキとのセットだと、食前に一杯、食後に一杯、合計2杯の紅茶がついてくる。

ミルクレープ状のパンケーキは、クリームとフルーツが絶妙なバランスのおいしさ。店オリジナルのフレーバーティーも香りがよい。価格帯はすこし高めだが落ち着いた気分になれる。茶葉の販売もあり。淹れ方も丁寧に教えてくれる。

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エイトジュール
03-6804-9192
東京都世田谷区北沢2-37-17 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131802/13157413/

 

<フヅクエ>

f:id:lkinako:20181226093030j:image

初台のブックカフェ。会話は原則としてできない(小声で短い時間ならできるということにはなっている)ため、一人での来店がおすすめ。

そのほか決まりごとがメニュー表にあれこれ書いてあるが、雰囲気は堅苦しくなく、ゆったりと読書を楽しむことができる。

料金制度は多少複雑だが、説明書きを読めばすっきり理解できるので、2500円くらいを持って、3時間とか4時間くらいゆったりするつもりで行けば大丈夫。

食べ物と飲み物は基本どれもおいしいが、チーズケーキがおすすめ。忘れられない味。

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fuzkue
東京都渋谷区初台1-38-10 二名ビル 2F
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131807/13174339/

 

<saten>

f:id:lkinako:20181226085632j:image

西荻窪日本茶カフェ。抹茶やほうじ茶などを楽しむことができ、抹茶ラテなどの定番のほか、抹茶トニックなどの変わり種も取り揃えている。コーヒーもある。その場で抹茶を点ててくれるので、カウンター席に座って眺めるのも面白い。

抹茶プリンは濃厚な抹茶を思う存分味わえる。アイスの飲み物のグラスがうすはりグラスなのも雰囲気に合っていてよいと思う。

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Saten
03-6754-8866
東京都杉並区松庵3-25-9
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131907/13221306/

 

<ヤルクコーヒー>

f:id:lkinako:20181226091828j:image

西永福のカフェ。量り売りもやっている、コーヒーがメインの店。個人的には苦味系がおいしいと思うが、北欧ブレンドもすっきり酸味系で飲みやすい。

季節によって変わるスペシャリティケーキがうまい。りんごのケーキはバターの香りがよく、甘すぎない。チーズケーキもうまい。ケーキはちょっと高めの価格設定だが、そこそこ大きいので満足感は高い。

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ヤルクコーヒー
03-6379-1313
東京都杉並区永福4-19-4 安藤ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131805/13162650/

 

ほかには、クルミドコーヒー(国分寺)、アール座読書館(高円寺)、珈琲館くすの樹(東小金井)などもよかったです。東京の西側に偏っていてすいません!

 

来年はベタですが神保町のカフェをもう少し開拓したいなと思っています。さぼうるか古瀬戸かティーハウスタカノとパターンが決まってしまっているので…。

 

(きのこ)

 

 

140字小説を1ヶ月続けてみてわかったこと

こんばんは、紬です。

 

とつぜんですが。

 

ここ1ヶ月ほど、

「毎日140字小説を書いてみよう」プロジェクトをやっていました。

1人で。こつこつと。

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、

140字小説とはその名の通り、

ツイッターの文字数制限である140字で超短編小説を書くことです。

こんな賞が催されていたこともあった模様。

atohs.hatenablog.com

 

なぜそんな無茶なことをしだしたのか?

 背景をご説明します。

 

まず私の悩みとして

 

・飽き性で困っている

(好奇心旺盛なのだが、新しい趣味に数か月で飽き、また別のことを始める)

活字中毒で、自分でもなにかしら文章を書きたいのに、長いものが書けない

(文章を書こうとすると長いものが求められる傾向がある、気がしている)

 

というものがありました。

 

さりげなくずっと悩んでいたこのふたつ。

そろそろなんとか解消したい! と

うんぬんとぼんやり悩むこと数か月。

 

飽き性克服のために読んだ『没頭力』という本からも

ヒントをもらったりして、

なんとかかんとか自分の長所を掘り出し、

じゃあどうしたらいいか、を考えてみました。

 

<長所>

・ブランクはあっても、読むことと書くことはずっと好き

・短編なら短時間でばばばっと書くことができる(量産ができる)

・風景や日常描写が好きなので、ネタはそこかしこに落ちている

・褒められるとばかみたいにやる気が出る

 

<じゃあどうするか>

Twitterの140字小説なら毎日かけそうだし、リアクションもわかりやすそう

・飽き性克服にもなりそう

一石二鳥だ! よし、やってみよう!

 

となったわけです。

 

こんな流れで作ったアカウントがこちら↓

twitter.com

フォローリムーブご自由に。

 

はじめたのが11月21日。

無事昨日で1ヶ月たったので、

ブログで感想を書いてみようと思った次第です。

 

それではどうぞ。

 

まず、書くときに意識したこと

自分が書きたいことを書く

文章に限らずですが、

性格的に「ウケるものによせる」傾向があり、

ほっておくと他の方の人気作を勉強し、

こういう作風がいいのかな? とやりだします。

 

はい、こざかしいですね。

 

今回はそれは一切排除し、

「自分がいいとおもったもの、書きたいもの」

に集中するようにしました。

 

規模は意識しない

せっかくならいろんなひとに見てもらいたい!

ほめてもらいたい!

何かを作るうえで、もちろんこういう欲求があります。

が、今回はそれも横に置きました。

 

あまり派手なことをしたりして注目を集めても疲れるし、

そこに焦点をあてるとすぐ気持ちがぶれるからです。

 

小規模でもいい、とにかく地道に続けよう。

その精神を貫き通しました。

 

おかげで楽しかったです。

 

全体をとおして

いいねやリツイートなどのリアクションははげみになる

小規模でいい、とかっこつけながらも

やはり見てくれる方がいるのはめちゃめちゃうれしかったです。

1個のいいねでテンションがすごくあがる。下手すると泣く。

いや本当にありがとうございます。

 

切り取る場面が細かいほど、文章力と着眼点が求められる

居酒屋のなかでことこと音をたてている鍋だとか、

清流の上に落ちていく枯葉だとか、

荷物を待っているときのドキドキ感だとか、

こういう細かい題材が大好き。

 

大好きなんですが、派手さがない分、

けっこう本気出さないと難しかったです。

いや、本気出しても難しかったです。 

 

文章そのものについて

「なにげない」風景のなかにある物語を「控えめに」描くのが一番好き

こんなシンプルな自分の嗜好をしみじみ実感できました。あとは以下。

 

・夕暮れからそれ以降の時間帯がやたら好き

・夕暮れの描写も好き。グラデーションを使いたがる。

・料理やらお風呂やら、日常がもたらすあたたかさも好き

・日常のなかに「幸福」を浮かび上がらせたくなる

 

心の折れ具合 ~やっぱり毎日は大変だった~

・1週間を過ぎたころからややだれる

これ以降定期的に心が折れるようになる

 

・21日目あたりから本格的にだれる

でも不思議とやめようとはおもわなかった。

 

・23日目から新しい作風にチャレンジ

会話劇や心情描写に「むずかしい……」となる。折れる。

 

・29日目、ネタ切れ。友人からネタをもらう

というか、何気ない発言からヒントをもらう

 

・31日目、基本に戻って風景からの妄想描写。楽しい。

反応がいいほうだった。うれしい。

 

これから

けっこう楽しかったので、まだまだ続ける気でいます。

 

毎日のなかにひとつフックというか、

習慣が増えるのが癖になった。

それが好きなこと(文章を書く)だったのでなおさらですね。

 

書く時間を決めるとか、

テーマを固定してみるとか、

余裕がでてきたらいろいろやってみたいこともある。

 

心が折れた時には、やだんこメンバーに愚痴ろうと思います!

 

それでは。

 

足の遅い亀は弱い? 『血界戦線』最高というお話

そうだ レオナルド君 一つだけ認識を改め給え
君は卑怯者ではない
何故ならまだ君は諦めきれずにそこに立って居るからだ
いいか
光に向かって一歩でも進もうとしている限り 人間の魂が真に敗北する事など断じて無い(『血界戦線』1巻「魔封街結社」より)

  

人は弱い。俺も弱い。起きなきゃいけないのに寒さに負けて布団から出られない朝がある。やめなきゃいけないのに酒に手が伸びてしまう夜がある。
 
だから強さに憧れる。じゃあ、強さって何だろ? 
 
そして『血界戦線』を読み返す。どのエピソードも素晴らしいんだけど、俺が一番好きなのはやっぱり第1部の最終章「妖眼幻視行」。
 
大好きなレオが一番追い詰められるエピソードだ。
 
**
 
レオ史上最大のピンチを迎えて、俺が最初に思ったのはこうだ。
 
ザップこの役立たず! 「いつもいじめてくるけど実は面倒見が良くてピンチの時にはなんだかんだ助けてくれるキャラ」じゃねーのかテメーは痴話喧嘩で仲間の窮地に気付かない間抜けは一生腰振ってろ!
 
汚い言葉だけどこれが最初に感じた、素直な怒り。
 
あれもこれもぜんぶ伏線で、へそ曲がりで横暴だけど兄貴分のザップが真っ先に駆けつけてくれんだろ、とタカをくくってたところがあった。でも来ねーんだこれが。だーれも、抜き差しならない局面に到達するまで気付かねーんだ。
 
あれだけ厳戒態勢を敷いといて、なんなら全員がその決定的瞬間に立ち会いながらも、誰一人、レオの窮地に気付けない。なぜか? 彼の見えてる世界と他の人の見えてる世界が違うから。文字通り。
 
でも、結局、レオを一番ナメてたのは俺だったんだ。
 
**
 
血界戦線』の舞台はヘルサレムズ・ロット。かつてニューヨークだったその街は、一夜にして異界の入り口に変貌した。
 
異形が闊歩し混沌が支配するこの街では、何気なく犯罪が重ねられいともたやすく命のやりとりがなされる。まともな人間は寄り付かない魑魅魍魎の街。
 
レオは、ある日突然、妹の視力と引き換えに与えられてしまった“神々の義眼”という(望まない)チート能力を駆使して、その眼を返還してでも妹の視力を取り戻すため、そのトチ狂った街に潜入してきた。
 
彼が接触したのは、そんな狂気の街でも“いつ破れるとも知れぬ均衡を守るために”暗躍する秘密結社ライブラ。
 
血界戦線』は、ライブラの活躍がおおよそ1話完結型で綴られる熱血少年漫画だ。
 
**
 
血界戦線第1部の最終章「妖眼幻視行」。こっからはネタバレ注意ですぞ。
 
レオは一貫して物語の語り部だった。神々の義眼を押し付けられ“見届ける”役を仰せつかったからだ。
 
心優しきレオによる、血で血を洗う悪夢の街、ヘルサレムズ・ロットの観察記。
 
それは、足が悪くて車椅子で、その上なんの脈絡もなく視力を奪われた妹・ミシェーラへの手紙という形で綴られてきた。
 
ライブラの構成員はバケモンじみたやつらばっか、いわば全員ジョーカーみたいな手札が揃ってる。
 
他人の視界を盗んだり彼にしか視えないものを視たりっていうチートを持っているとは言え、やっぱりジョーカーには劣る、レオはせいぜいジャックとかそのあたりだと思ってた。
 
何度も世界を救ってきたライブラにおいて、作戦の要になる時もあるけど、それもたいていは後方支援で、荒事を解決するのは周りのジョーカーたち。
 
RPGで言うと、パーティーには欠かせないけど単体での攻略は不可能なシーフくらいの位置付け。シーフを貶めるわけじゃない、パーティーにおける決められた役回りでしかない。
 
レオは神々の義眼を保有してるがゆえにライブラにとってかけがえのない存在だけど、語り部で、シーフだった。
 
だから、回想という形じゃなくて、レオの妹が初めて、しかもよりによってレオと同じ神々の義眼保有者を引き連れて現れた時に、俺は小賢しくもこう思った。
 
神々の義眼というチート能力が相殺されてしまった時、レオはなんて無力なんだろう、と。
 
その優位性が奪われたら、後はチビで貧弱な、心優しい生身のレオしか残らない。
 
だから、ザップ何やってんだこの間抜け! はよ助けに来い! と罵りたくなった。肝心のとこで助けに来なくて何が兄貴分だ!と。
 
でも違った。レオの覚悟をナメてた。
 
いざって時に声が出なくて一歩も動けなくて、足の悪い妹に視力さえ差し出させるようなレオを心のどこかで俺は責めてた。運命の分かれ道で「奪うなら私から奪いなさい」と妹に言わせてしまう兄を、どこかで侮ってた。
 
一生分背負った後悔も、その先の人生を捧げる覚悟も、ずっと描かれてきたのに。
 
レオもまた、不退転の意志をもった騎士だった。歩みは遅いけど、一歩ずつ前に進む。妹も、ライブラのメンバーも、はじめから見抜いてた。
 
何を見てきたんだろう俺は。レオが臆病者なわけがないのに。わかってたつもりだったのに、勝手に物語における役割を決めつけてしまってた自分の了見の狭さに腹が立った。
 
きっとレオは立ち向かっただろう。もし神々の義眼を持ってなかったとしても。
 
レオは助けられるべき存在じゃなかった。足が悪くて目が見えないミシェーラも、守られるだけの存在じゃなかった。
 
たった2人の兄妹で立ち向かった彼らが、自らを助けることでまたしても世界を救った。
 
知ってますか?
亀はその構造上後ろに下がる事が出来ないんだそうです。
昔これを聞いた時真っ先に兄を思い浮かべました
足がすくんで動けなかったり途方に暮れて立ち尽くしてもこの人は絶対に逃げない
うずくまってじっと耐えていつかまた歩き出す
私の亀の騎士<ナイトオブトータス>。(『血界戦線』10巻「妖眼幻視行」より)

 

血界戦線』に登場するのは、バケモノじみてるけど不器用だったり性格が歪んでたりクソ真面目すぎたりする構成員と、不撓不屈の意志を秘めた青年だ。
 
姫を守り抜いてボロボロになったレオが入院してる病室で、ライブラのリーダー・クラウスが彼にかける言葉のあたりで、恥ずかしながらいつも俺の涙腺はぶっ壊れる。
 
**
 
内藤泰弘にも謝らなければいけない。俺は内藤泰弘もナメてた。
 
内藤泰弘が『トライガン』を描き終えて、次に連載を始めたのが『血界戦線』。
 
トライガン』ていう名作を生み出しただけでも、内藤泰弘は一生褒め称えられ語り継がれるべき功績を残した。
 
血界戦線』連載開始当時、御年42歳。さすがに『トライガン』は超えられないだろうと思ってた。俺はここでも間違いを犯してた。
 
俺のナメた予想をやすやすと超えて、内藤泰弘は最高傑作を更新してくれた。今も『血界戦線 Back 2 Back』でそれを更新し続けてる。
 
良き読者でありたいと思うけど、油断すると偏見だの決め付けだので俺の目は曇ってしまう。
 
(語弊があるけど)たかが漫画を読むにあたってもそうなんだ。いわんや現実においてや、だ。
 
「光に向かって一歩でも進もうとしている限り」。クラウスの1巻でのセリフが思い出される。10巻を読むまで、ほんとのところ、俺にはその意味がわかってなかった。
 
強いっていうのはどういう心のあり方だろう。最近はよく10巻を読み返してる。
 
月並みだけど、俺はやっぱり負けないことだと今は思ってる。
 
負けないこと。不撓不屈の魂。現実にはそんなものはほとんど存在しない。強くなくていい時もある。でも、だからそれがとても眩しい。
 
 
 
無限大