やだんこ!

共通点があったりなかったりする者同士で更新するWeb同人誌です

人あるいはモルモットと対話すること

わたしはすげえよくしゃべるのだが、しゃべるのが苦手だ。

苦手なので多弁になるのだと思う。

 

小学生の終わりから中学生ころにかけて、なるべく人の話を聞いて相槌を打つことだけするようにしていた時期がある。

どんな風にしゃべっても本当に伝えたい内容を言葉にできないから、変なことを言ってしまって人を困らせたり嫌な気持ちにさせているなという気がしていたのだ。

たぶん、間違いなく、困らせていた。

 

あんまりしゃべらないのも心配されるので、中学校の後半くらいからちょっとずつしゃべるようにしていくと、驚くくらいコミュニケーションが円滑になった。

当たり前だ。なにも言ってないからなにも伝わらない。雰囲気だけ出して、とにかく察してほしがりの人になっていた。めんどくさい女にもほどがある。

 

高校に入って文芸部に入部した。小説を書いたり小説の話をするつもりで入ったのだが、はじめの部会で渡されたのは短冊だった。これにいま俳句を書けという。

 

俳句なんて書いたことないよ〜〜〜〜
俳句やるなんて聞いてないよ〜〜〜〜
騙された〜〜〜〜

 

と思いながら俳句甲子園の全国大会に3年間出た。なんだかんだいって楽しくなったのだ。
俳句を書いて人に見せると、気持ちのふわっとした部分がそのふわっとのまま伝わるのが不思議だし面白かった。

 

その後俳句とは10年くらいお別れするのだが(お前の俳句は俳句じゃないと言われて腹が立ったからという五歳児レベルの理由である)、人に何かを伝えるっていろいろやり方があるのね、ということがわかった。

 

きょう動物園に行ったら、元相方(彼氏のことを指すくそワードではなく、お笑いのまじ相方です)がモルモットを抱きながら、うち来る? うち来る? と聞いていて、モルモットがぴくりと動くと、あ〜〜〜〜うんって言ってる〜〜〜〜と言っており、そうか、そういう対話の仕方もあるのか、と思った。

 

元相方は猫などにアレルギーがあるので鼻水と涙を流しながら、それでも、うち来る? と言っていた。やめとけい。

 

(きのこ)