『枕元の本棚』(津村記久子).2- GWに読んだもの
はい、同じ本で二回目の感想を書こうとしています。紬です。
決して手抜きではありません。
(一回目の記事はこちら)
『枕元の本棚』は津村記久子さんセレクトの本を紹介してくれるエッセイ。
のんびり読み進めていたら、
レオ・レオニ著の『平行植物』の項がつぼにはいってしまいました。
そのままのノリでブログを更新しております。
『平行植物』は架空の植物群を図鑑にしちゃったおもしろ本なのですが、
設定が実にリアル。
へんてこな植物自体ももちろんリアルなんですが、
並行植物の第一人者(?)コル
「たとえば、
第1回国際平行植物会議を開催したベルギーのロイヤル大学のコル ネリアス・クールマンが平行植物に出会ったいきさつと、 彼がなぜベルギーの碁のチャンピオンであったかについては、 以前の古植物の会議で出会った京都大学の教授で碁の名人である杉 野金一に碁の手ほどきを受けたのち、郵便・電報・ 電話を介して対局し(通信費は1万2千ドルを越えた)、 その後東京で再会した時に、旧尾張地方の森林地で〈 森の角砂糖バサミ〉が発見されたからそれについていったため、 という説明がされる。いるのか碁の部分は。しかし面白い。」(『 枕元の本棚』(津村 記久子 著)より)
もはやここまでくると図鑑というより一つの物語だと思うんですが、
「いるのか碁の部分は。」
こういう淡々とした津村記久子さんのつっこみが大好きです。
このノリが読みたくて小説を呼んでいる節すらあります。
そしてこれに限らず、
「それ、いる?」というところまで作り込まれた世界観が大好きです。
この本に限らず、アニメでも漫画でも映画でも、なんでも。
「そこはゆずれない」といった執念というか、
なんとなく書き手のガチさを感じるからです。
なんの得にもならなそうな趣味(失礼)に本気で入れ込んでいるひとって、
どうしてこうも魅力的なんでしょうか。
損得なしで生きることの面白さみたいなものを、そのまま体現しているからでしょうか。
不思議です。
普段まず手に取らないだろうな、っていう本を
こういう形で知ることができるのは面白いですね。
本好きの醍醐味かもしれない。
ご興味がある方はこちら
(紬)