やだんこ!

共通点があったりなかったりする者同士で更新するWeb同人誌です

バーミヤンで火鍋頼みたい人生だった

みなさんこんばんは。

 

やりたかったし、すぐできるけど、やってないなぁってことありませんか?

 

ありますよね。

 

僕はここではそーいうことについて書いていきたいなあとおもっています。たたたです。たたにゃんでもたたさんでも、音速の貴公子でも好きに呼んでください。いろいろあってここに混ぜてもらいました。

 

今回取り上げるのは、バーミヤンの火鍋です。バーミヤンというのは、すかいらーくグループが経営する中華料理屋さんで、早くてきれいで安・・・・・・くてまあまあおいしい中華を提供してくれるところですね。

 

ドリンクバーも完備していて、みなさん少なからず利用されたことがあると思います。あの何故か桃のデザインのにくいあいつです。

 

そのバーミヤンに、1980円出すとたべられる「火鍋」というセットがあるのをご存じでしょうか。中国語では、huǒguō=フゥオグゥオみたいに発音し、陰陽の太極に見立てられるカーブのついた仕切りの鍋が特注で使われているのですが、なぜかバーミヤンでは「しゃぶしゃぶ食べ放題」という身もふたもない名前がつけられています。

 

10種類以上の具材が食べ放題で、2時間でドリンク飲み放題がついて、最上級のプレミアムなコースなら、半らーめん、半チャーハン、小総菜などまで食べ放題。もはや「しゃぶしゃぶ食べ放題とは・・・・・・」みたいな気持ちになりますが、わずか3197円(税別)という破格of破格のウルトラメニューです。

 

しかも一枚は沖縄産豚肉まで食べられるそうです。

 

ですが、このコース、ほとんど頼んでいる人をみたことがありません。

 

かつて、ガストであったお店がある日突然バーミヤンに変わった日、店の看板にはでかでかと「火鍋!」とありました。それはいまやただの「P」に変わってしまいました。

 

誰も注文しないからです。

 

 バーミヤンで「食べ放題」を注文するというハードルの高さは尋常ではなく、しかも3000円以上の金額をバーミヤンで払うことは別のハードルもあります。なぜならバーミヤンでは500円払えば小皿二品をたべられるのです。ちょっと呑むならそれで十分です。

 

 しかも二人以上でないと頼めないのです。バーミヤンで食べ放題飲み放題が許される社会がこの世にあるのでしょうか。あるのかもしれませんが、僕はしりません。残念です。

 

 さらにそれに「飲み放題」まで付けたら、近くの家族連れからは「え? バーミヤンで? 食べ放題で飲み放題なの?」という目線を向けられる、そんな恐怖心すら感じます。

 

しかもいい年こいたオッサンが、二人で、バーミヤンで、鍋を食べていたら、通報されるかもしれません。物騒な世の中ですから。

 

 ずっと昔、高校生二人がバーミヤンで火鍋をたべているのをみました。がつがつとたべる男子二人は、いかにも「男子」という感じでいさましく、それと黒豆茶をごぶごぶ呑みながら「まじで神」とか「バーミヤンの世界を感じた」「隣のクラスの緑めっちゃかわいい。俺が大人だったら抱いてた」などと言っているのです。ちょっと、チープめながら丁寧に切られた薄い豚肉をしきつめたトレーや鶏肉が無造作にのった皿が次々運ばれてきて、ああ、なんていうことだろう。そうか、これが僕がたべたかった火鍋なんだ、と思いました。友情まで煮込みながら、親しさを共有しあう美的な空間です。

 

火鍋を頼む友達がいつかできるだろう。そんな風におもって、何年もたってしまいました。いつかバーミヤンで火鍋を、親しい友人と食べる日がくることを願っているだけで、何年もたってしまっていたのです。しまって、いたのです。バーミヤンラーメンと三個餃子を頼んでいるだけで、何年も。