2018年の良かった本、12冊(だっくる編)
ああ……2018年が終わる……。
今年は本を54冊読みました。本物の読書家にはかなわないけど、念能力を持たない人間にしてはよく読んだほうでしょう!たぶん!そこで読み終えた本で、かなり良かったものを順不同で列挙します。
・屍人荘の殺人
これはやだんこの読書会の課題図書でした。かなーり面白い!『このミステリーがすごい!2018年版』第1位、『週刊文春』ミステリーベスト第1位、『2018本格ミステリ・ベスト10』第1位の三冠。本屋大賞でも3位。ちょっと邪道な展開かもしれないけど、エンタメとしてとても良いと思います。映画化も決まっているのですが、予告編ネタバレなしに作られるとは思えないので、今すぐに原作を読んでください。
・クリムゾンの迷宮
今年、貴志祐介ブームが来たので、この他に「悪の教典」「新世界より」などを読みましたが、どれも上下巻なので比較的手軽に読めるこれを。最後の展開がちょっと急かもしれないけど、おもしろいです。一気に読める。
参加者を過酷な環境に閉じ込めて殺し合いをさせて最後の一人に賞金を与えるという、いわゆるデス・ゲームもの。割と主人公に都合がよく話進みますが、良いと思います。
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 1999/04/09
- メディア: 文庫
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これもやだんこ読書会の課題図書。この本で生まれて始めて読書会というものをしました。Kindleで読んでたからぜんぜん気づかなかったんだけど、この本、めちゃくちゃ長いんです。ハードカバーだと二段組で、しかも687頁もある。
・臣女
たしかアメトーーク!で光浦靖子が紹介していたと思う。浮気をしていた教師の妻の体がどんどん巨大になっていく話。こっけいでかつぐっとくる展開に妻を大切にしようと思いました。まじで。
「蜜蜂と遠雷」はピアニストの話なんですが、こちらは調律師の話。「蜜蜂と遠雷」のアナザーストーリーのような(もちろん、ホントはぜんぜん関係ないですよ)感覚で楽しめました。「蜜蜂と〜」がエンタメ大作の映画だとしたら、こっちはしっとりと進んでいくミニシアター系のような大切に噛み締めたい作品でした。
・未必のマクベス
サスペンスなのか恋愛小説なのか、シェイクスピアの戯曲「マクベス」を踏まえながら進んでいくクライムラブストーリー(なのか、ぼくにはいまいち決めかねます)。めちゃくちゃおもしろかったです。長いんだけど、それを感じさせない。一人の男の成り上がりストーリーをスリルとロマンをあわせながら見事に描いています。ぜひ読め。
・ハリー・オーガスト、15回目の人生
記憶を持ったまま、転生を繰り返す男のストーリー。一度死んだら、その記憶を持ったまま、人生を最初からやり直す能力者といえばいいかな?カーラチャクラと呼ばれるこの能力者は世界中に存在し、暗号などで未来や過去の知識を共有しあって協力しながら生きている。何度でも生まれ変わることができるので、事実上不死。ただし、生まれる前に親ごと殺されちゃったりすると、二度と生まれることはないという弱点もあり。
で、この時点で面白そう10000点じゃないっすか?一人の男の人生が何度となく語られるので、ちょっと冗長なところもありますが、良いです。
・出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった一年間のこと
ちょっと5chのスレッド感あるタイトルですが、内容はかなり良いです。作者の本好きという点がとても伝わってくる。いろいろしんどいことが起きたけど、「人間」に救われるというところ、かなりぐっと来ました。心がつかれたら読みましょう。
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
- 作者: 花田菜々子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/06/01
- メディア: Kindle版
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・隣り合わせの灰と青春
ウィザードリィというコンピュータRPGの元祖みたいなゲームがあるのですが、その小説です。でも、ウィザードリィの知識のほとんどない僕でも楽しめました。めちゃくちゃ楽しめました。かなりおすすめ。
・異セカイ系
第58回メフィスト賞受賞作。メフィスト賞ってもうそんなにやってるんだ。舞城王太郎と筒井康隆、町田康と西尾維新などなどのエッセンスを多分に含んだ怪作。セカイ系、なろう系のラノベが好きな人がここから文学にずぶずぶとハマったり旅立ったりする、橋渡し役としても優れています。けっこうフォントサイズとかで遊んでるところもあるんですけど、かなりの実験作でありながら、単純に楽しめる作品でもあり、ぜひ読んでほしいです。
・老ヴォールの惑星
今年、いろいろ読んだことのない作家と出会いましたが、この小川一水にはかなりハマりました。セールになってるやつ、ほとんど買った……。
おすすめは「漂った男」。死ぬ危険性がなく、母星ともコミュニケーションがとれるのに、自分の居場所を伝えることができないという斬新な設定の漂流もの。これ映画化したら映えるだろうなって思ったら、けっこうレビューでも映像化を期待してる人がいて「わかる!」となった。
・アリスマ王の愛した魔物
ちょうどさっき読み終わりました。これも小川一水の作品。ぜーんぶ面白い作品だった……。
バイクのAIとホストコンピュータ(?)の会話劇だけで進んでいくのに、めっちゃ情景が浮かんでくる「ろーどそうるず」、数えることだけに異常な執着を持っていた王の冒険譚「アリスマ王の愛した魔物」がかなりのおすすめです。
こんなところです。全部、おすすめできるので冬休みを利用して読んでみてください。ちなみに小川一水はシリーズが半額セールをやっているので、買ってもいいと思います。(買え)
今年、Kindle Paperwhiteを本格的に利用しだしました。Kindleの何がいいって本棚が圧迫されないんだよね。セールもちょくちょくあって、めちゃくちゃ本買いました……。積読もやばい数になり、来年はこれを片付けていくことになりそうです。でもセールでいいのがあったらきっと買っちゃうんだろうな……。
来年も読書餓鬼。
だっくる