やだんこ!

共通点があったりなかったりする者同士で更新するWeb同人誌です

ウェイに至る病

どうも無限大です。

 

隠居生活を満喫中のこの身が忙しいなんてことあるわけないんだけど、自分だけがはじめましてなのには理由がある。

 

最近一番ハマっていたのがドラマ『アンナチュラル』で、そのことを書きたかったのだけど書くに書けなかった理由がある。

 

もしこれから「アンナチュラル」を観るという人、あるいは米津玄師が好きという人は、即刻ここから去った方がいい。読んだら最後、自分と同じ呪いにかかってしまうかもしれない。

 

『アンナチュラル』の素晴らしさはもういろんな方が言葉を尽くされているので言いたいことは何もない。

 

石原さとみ演じるミコトの凛々しさもひたむきさも、井浦新演じる中堂さんの漫画みたいなかっこよさも可愛さも、しょうじのしなやかさも、六郎のヘタレっぷりも健気さも、最後はぜんぶ愛しかった。

 

みんな何かが足りなくて、空洞があって、それでも彼女たちが擬似的な家族のようなチームのような何かとして緩やかに連帯している姿には心打たれた。

 

伏線も綿密で構成も緻密で、コインのように表裏がひっくり返る様は圧巻だった。日本のドラマはたぶん予算もスケールも比べものにならないはずの海外ドラマに全く遜色ない。ネトフリ廃人の自分が言うので間違いない。

 

そして、米津玄師の主題歌「Lemon」との相性がとにかく最高だった。ドラマ主題歌初のくせに、「失われてしまったものをいかに取り戻すか」みたいなドラマのテーマ性を汲み取ってここまで見事に曲にするなんて天才かよ。

 

イントロなしでブレスから始まる「Lemon」が毎回本編のここしかないってタイミングで流れて、どっちかってーと明るいメロディーなのに失われた誰かをひたすた思って思って思って身のよじれるほど思いまくる歌詞が重たくのしかかってきて有無を言わさず涙腺を揺さぶる。あざといというかもはや卑怯だった。もうほんと米津玄師、変態かよ。

 

悔しいけどiTunesで単曲配信でも購入しちゃったし久しぶりにシングルCDなるものも買っちゃったよね。

 

そのうちに、あることが気になって頭から離れなくなった。ドラマで聴いてるだけだったら、正直そこまで気にならなかったと思うけど、なまじ曲にもハマって音楽として聴くとすぐ、ある音を耳が拾うようになった。

 

曲間に挟まれる妙な合いの手。

 

それは、何度耳を澄ましても、どうしても「ウェイ」としか聴こえない。パリピかよ?

 

おかしくない!? 別離を偲ぶ曲の合いの手に、パリピ選ぶのおかしくない!?

 

もちろん、本人的にはそんなつもり一切ないのかもしれない。でも、もうその瞬間から、自分にはパリピの合いの手にしか聴こえなくなってしまった。

 

気付いてしまった時は、可笑しかったと同時に、文字通り頭を抱えてしまった。この先、最高のシーンで「Lemon」が流れる度に、自分の頭には必ずパリピが浮かぶだろうことが容易に想像できたからだ。その瞬間の絶望感!

 

冗談だと思うかもしれない。百聞は一見に如かず。それではお聴きください。米津玄師で、「Lemon」

 

youtu.be

 

冒頭7秒くらいから13秒までで早くも1ウェイ入っている。なお、1曲通しで聴いた場合、9ウェイが入る。

 

もしかして、と思った。ドラマで主題歌として流れる時は、パリピは追放されてんじゃねーか、と。実際全然そんなことなかった。しっかりウェイいただきました。

 

最高の主題歌で最高のドラマなのに、「Lemon」が流れるたびに頭の片隅でウェイが気になってちゃう視聴者の気持ちたるや!

 

自分はこのことを、どうしても一人では抱えきれなかった。それで、ついうっかり(?)一緒に『アンナチュラル』を毎回楽しみにしている同居人に話してしまった。

 

「ねえ、よく聴いて。ここ! ちっさい声で『ウェイ』って合いの手が入ってくるでしょ!? なんなのこれ!? パリピ!? 米津玄師、実はパリピだった!?」

 

めっちゃキレられた。しょーもない印象植え付けやがって、おまえ一人でウェイの呪いにかかってろよふざけんな! って。ふひひ。人を呪わば穴ふたつ(違う)。

 

その後、2人で「Lemon」聴いてるとウェイのところで顔見合わせて爆笑するようになってしまって、ドラマ本編でも一番シリアスな場面で流れるもんだから爆笑はしないまでもクスッとなっていつも泣き笑いみたいな感じだった。

 

ようやく最終回が終わった今だから言える。『アンナチュラル』掛け値なしに最高だった。そして米津玄師、おまえは天才だし変態だ。一生ついていく。ただ、もうウェイは使うんじゃねーぞいいな泣!!