『半分、青い』がけっこう好きだった話
おひさしぶりです、紬です。
本日は朝ドラについて、
お話してみようと思います。
お題はこないだ最終回を迎えた『半分、青い』。
家にテレビのない期間が長かったこともあり、
大人になって初めてまともに見た朝ドラだったと思います。
そんな個人的記念碑ドラマですが、
おおいに賛否両論を巻き起こし、
私も見ていて「おいおいおい」と思うことはたくさんあったものの、
なんだかんだ、けっこう好きでした。
ただ、朝ドラのメソッドとか文化とかもよくわかっていないですし、
よく燃えていた脚本家の方のSNSも一切見ていません。
そんな軽いノリで、
なぜ『半分、青い』にハマったか、
ざざざっと書いてみようと思います。
■主人公の鈴愛(すずめ)が好きだった
賛否両論というかむしろ嫌われまくっていた印象の主人公ですが、
私はけっこう好きでした。
自由奔放で空気を読まず、失言多めかつ感情コントロールが苦手。
でも可愛くてエネルギーがすごいからか、みんなに愛される。
そのうえ周りにいるのはイケメンばかり。
まあイケメンはドラマだからとしても、嫌われますよね、これは。
※ちなみに設定としては軽度の障害(片耳が聞こえない)を持っています。あとわりと「発達障害という裏設定なのでは?」というコメントも見ましたね。とくに言及されるわけでもないので、真相はわかりません。
なんで好きだったかというと、
顔が可愛いのを除いて、
素の自分にとっても似ていたから。
はい、しょっぱなから私情すぎて申し訳ない。
私は常識の枠にかろうじておさまっていますし、
ここまでぶっとんでいなくでも、
「世間の基準にあわせている」という意味では、
おそらく世の中の多くの人は強弱あれどそうなんだろうな~?
と勝手に思ってます。
しかし。
鈴愛はどこまでも我が道をいきます。
道なきところに道をつくり、
壁があったらマナー度外視でぶっ壊したりします。
何歳になってもわりとそんなノリ。
「おまえ……それはないだろ……」
と唖然とするシーンも多々ありつつ、
単純にものすごくうらやましかったし、
「たくましいなー強いなー」と思いながら見てました。
そしてそれが朝ドラのヒロインであること。
いやー自由の極みだなって思いました。
好きなんです、そういうノリ。
常識や世間の目にとらわれず、
がんがん生きていける鈴愛のエネルギー量、ちょっとわけてほしかったです。
(まあ鈴愛が近くにいたら、仲良くなれるかは別問題なんですけどね……。 )
■物語への没入感がすごい
賛否両論まきおこる
=なんだかんだで話題になったひとつの要因だとおもうんですが、
とにかく見てると感情を揺さぶられたんですよね。
鈴愛がはちゃめちゃな行動をすればいらーっとなるし(好きでもいらっとはする)、
佐藤健演じるヒーロー、律が知らん女と結婚すれば本気でショックを受けるし、
トヨエツ演じる漫画家、秋風先生のもとで働いていた鈴愛が退職したときは、
ものすごいさみしさに襲われたし……。
とにかく感情移入をしてしまい、
よくもわるくもSNSで感想を言いたくなり、
うまくいかない局面では「自分だったらどうするか」を考えさせられたわけです。
まあ朝から見るには波乱万丈過ぎてしんどかったですけどね……。
夜ドラマでじっくり見てみたかったような気持ちもあります。
■多様性ここに極まれり…?
多様性多様性いわれすぎて、
多様性なんて知るか! という言説すらでできそうな気がしていますが、
ドラマそのものがダイバーシティって感じだったなーと思います。
まあまず主人公が前述のとおりロケット爆弾みたいなキャラですし、
「女は若くて価値のあるうちに結婚しなきゃ」
「ゲイは無価値」
みたいな個人的にも胸がぐへっとなる価値観を描いたかと思えば、
「友達はいなくてもいい」
「いじめられたらさっさと転校!それは逃げじゃない!」
みたいな朝ドラらしくない表現もがつっとでてくる。
そもそも「結婚こそが女の価値!」
みたいなこと言っておきながら鈴愛も律も離婚しますからね。
いったいなにを描きたいんや……と思うと同時に、
「まあ人間ってこんな感じだよな」としみじみもしました。
そもそも人間に一貫性なんてないし、
誰だって良い面も足りてない面も持ち合わせているわけだし、
人生うまくいかないことだらけだし、
それでもご飯は美味しいし、
なんだかんだ生きていけるわけだし。
そういうなにかしらを、
キャラとか設定とか飛び越えて、
物語そのものでふっと伝えてくるかんじがあり……
そういうわけで『半分、青い』けっこう好きでした。
■とはいえ……!
とはいえ、燃えていた理由のあれこれも、
たいへんよく理解できました。
震災の扱いが軽すぎるし(最後の一週間に詰め込むなよ!)、
いじめ問題はけっきょくどうなったの?!感がすごいし、
職業軽視につながるような表現もたくさんあった。
それももしかしたら多様性かもしれないが、
少なくとも朝ドラで描くのは危うさをはらみすぎており、
そういう面を含め「けっこう好き」にとどまっております。
問答無用に「好き」とはいえない、
でも語らずにはいられない。
そんなパワーを持ったドラマだったように思われます。
ドラマに限らず、
なにかといえば炎上し、
うっかりすると過去を掘り起こされ、
いろんな言動に注意しなければならない今日この頃ですが、
こんなかんじで、
「なんにでも良い面も悪い面もあるよね」
という話ができる世の中に戻るといいなあと思いました。
やだんこメンバーでもよくそんな話をします。
最後はちょっと社会的なことも考えてるんだよアピールをしてみた。
次回の朝ドラ、まんぷくも楽しみです!
以上です。
(紬)